26. ウッタル・プラデーシュ州(4/30 & 5/8-10視察結果)
「典型的なインド地方都市・ラクナウ」と「急開発(住宅施設)のデリー衛星都市・ノイダ」
■ 地域情報
GDP: 8.05% (2nd) of Total GDP
面積: 240,928 平方キロメートル (7.33% )
人口: 199,581千人 (1st / 16.49%)
州都: Lucknow
主要言語: Hindi and Urdu

※上マップ右の赤い小さい領域がウッタル・プラデーシュ州が隣接するデリー首都。
ウッタル・プラデーシュ州は、インドの州・直轄領の中で最も人口を擁する地域であり、二番目に人口が多いマハラシュートラ州が112百万人であるのに対して、ウッタル・プラデーシュ州は200百万人と圧倒的な数を誇る州である。この州人口の多さにより、ウッタル・プラデーシュ州は、連邦政府へ送る議員数の配分が最も多く、インド連邦政府の勢力関係においてに重要な地位を占める州でもある。さらに、人口の数を背景として、州・直轄領別のGDPではマハラシュートラ州に続いて第2位の位置にある。
一方で、州全体の人々の一人あたりの所得は35地域中で下から3番目の33番目と、州としては貧しい地域に該当する。
ウッタル・プラデーシュ州はデリー首都と隣接する州という地理的な有利性を生かして、ノイダ、ガージアバードという都市に、企業の誘致を積極的に進め、インドまたは世界で有数の企業が集まる地域を有している。
■ 現地視察レポート(Noida & Lucknow)
2012/4/30 にデリー首都の衛星都市の一つであるノイダ、2012年5月8日~10日に州都・ラクナウに現地視察を行った。
(i) ノイダ (Noida)
ノイダの視察地域については、2012/4/28のThe Times of Indiaの別紙のアパートメント面積あたり価格相場(下記出典参照)に基づいて、ノイダ・ガージアバードで最も高い価格帯である「Sector-104」と地下鉄Yellow Lineの終着駅である「Noida City Center」とした。
「Noida City Center」周辺
Yellow Lineの地下鉄の終着駅である「Noida City Center」駅周辺は、まだ開発が十分進んでおらず、ほぼ更地の状態。少し離れたところにマンション建設現場があったが、全体として “City Center” とはほど遠い状況である。「Noida City Center」駅より2つ前の駅の「Botanical Garden」は、若干開発は進んでおり、駅周辺にはファーストフード店や、バス停留所、住宅エリアなどが整備されていた。

上写真とは、反対側の駅周辺は、大通りに沿って住宅エリア(Colony)があり、比較的高い所得層の住まいが密集していた。


「Sector-104」周辺
Sector-104の様子。一つのSectorは、広い範囲に及んでいるため、Sector-104の一部の様子として理解するのが妥当と思われる。Sector-104は、建設中の建物しか見当たらず、まだまだ開発は途中であり、この周辺のアパートメント相場が高いのは、実際の生活機能が充実している等の理由によるものではなく、あくまで超過需要による需給ギャップと、将来的な相場上昇を見据えての投資による上昇が主な要因と推測される。

Sector-42の周辺の様子。まだまだ、開発途中(中央写真)であり、住宅エリアの反対側は、更地で大量のゴミが投棄されている状況(右側写真)。

Sector-107の様子。大規模なアパートメント建設が行われている。



Sector-37周辺の様子。中央写真の住居は既に人々が入居している。右写真は、現在建設中のマンション。

(ii) 州都・ラクナウ
2012年5月8日~10日に、ウッタル・プラデーシュ州の州都・ラクナウの視察を行った。主に市街中心地域(1)と郊外地域(2)でありエアポート周辺を視察した。

(1) 市街中心
市街中心は、値段の手頃なホテル、レストラン、雑貨屋、飲料店が建ち並び、多くの人々が行き交う賑やかな場所である。ただし、ラクナウ市街は歴史のある街であるため、最新のファンションや電化製品、または中高所得者向けの店舗のようなものは見られず、庶民的な価格帯の店舗が多い。

道路についても、広い舗装された通りが一本、整備されているが、車線や信号などの整備は進んでおらず、インドの経済発展の恩恵は徐々に受け始めてきているという印象であった。

街のいたるところで舗装されていない道路やがれき・資材が山積みになった状態の場所など、インドの地方都市では比較的共通する光景が見られた。

(2) 郊外 (エアポート周辺)
郊外は、荒涼とした土地に、広い道路が敷かれ、その道路の両脇に転々と自動車やバイクの販売店や小規模商店が並ぶ光景が続いている。


エアポート沿いの大通りの様子
[視察を終えて]
(i) ノイダ
ノイダに限らず、デリー首都・グルガオンも同様であるが、これら都市は、何度も別の視点から視察を行わないと全体が把握できない。今回のノイダ視察では、建設中の住宅建設の状況と周辺環境という点では一定の状況を把握できたとはいえ、グレーター・ノイダやノイダのビジネス中心や商店街の中心の視察ができていないことは、次回の課題であると言える。
ただし、今回のノイダにおける住宅建設の状況は、その建設中の住宅の規模とその開発エリアの広さが圧倒的であり、実際これだけの入居の需要があるのだろうか。あるとすれば、デリー首都やその他衛星都市を含めて、相当な規模の都市への発展するだろうと考えられる。今後、継続して注目していきたい。
(ii) ラクナウ
ノイダを先に視察した後でのラクナウ視察であったので、同じ州でありながら、場所が変われば世界が変わるといった印象を受けた。
ノイダは未だ開発中の地域でありながら、そこで目にする設備やショッピングセンターは、インドの近年の経済発展の躍進を写すかのごとく、非常に近代的な様相を呈している。
一方で、ラクナウは、州都ではあるが、その街並みは、何十年も前からあまり変わらないと思えるほど、最新のものが少ないという印象を受けた。もちろん、郊外には、自動車やバイクの販売店があり、その店舗は当然にして最新のものではあるが、それ以外のショッピングセンターやファッションビルその他のものがほとんどみられなかった。ノイダとラクナウの対照的な違いは、ある意味でインドらしさなのかもしれない。
<出典>
The Times of India(2012/4/28), AVG APARTMENT PRICES: NEW DELHI NCR

